栄養ドリンクは、すぐに元気になりたいときに便利ですよね。
「栄養」ドリンクというくらいなので栄養補給になるイメージ。
でも、薬でも点滴でもないのに急に元気になれるなんて、ちょっと怪しい気もしませんか?
体に悪い何かが入っているような、そんな不安を覚えたので調べてみたら、
「元気になる理由ってそういうこと!?」
「知らずに飲み続けるなんて、すごく危険!!」
とびっくりする内容でした。
栄養ドリンクとは
栄養ドリンクの定義を調べてみると、『「肉体疲労時の栄養補給などを目的」としている飲み物で、エナジードリンクやドリンク剤とも呼ばれる』とされています。
栄養ドリンク(えいようドリンク、英語: Energy drink)とは、肉体疲労時の栄養補給などを目的として販売されている飲料である。エナジードリンク、ドリンク剤とも呼ばれる。
引用元:Wikipedia「栄養ドリンク」
一方でエナジードリンクは、栄養ドリンクではないという考え方もあります。
例えば、リボビタンDとオロナミンC。リボビタンDは指定医薬部外品なので栄養ドリンク、オロナミンCは炭酸飲料に分類されているのでエナジードリンクになります。
でも、どちらも栄養ドリンクのイメージがありませんか?
それぞれの商品情報ページをみると、リボビタンDもオロナミンCも成分を全面にアピールして、体が元気になる印象を与えています。販売上の分類がどうであれ、私たち消費者からみたら同じ目的の商品に見えますよね。
今回の記事では、エナジードリンクも含めて栄養ドリンクと考えて調査しました。
栄養ドリンクは何が体に悪いの?
タウリンやビタミンB群などの栄養素が入っている栄養ドリンク。
体にいいように思えますが、「疲労」研究の第一人者で『「疲れリセット」即効マニュアル』の本も書かれている医学博士の梶本修身先生は「常用するとむしろ体に害を及ぼす可能性がある」と話しています。
体に害を及ぼす理由は、栄養ドリンクに含まれている大量のカフェインと、微量のアルコールです。
栄養ドリンクを飲んだあとに「スッキリして目がさえた」というような、疲れが軽減されたという感覚を持つ人はかなりいるでしょう。
それは、ドリンクに含まれている大量のカフェインの覚醒作用と、微量のアルコールの気分高揚作用によるものです。
たしかに「疲労感」は薄まるかもしれませんが、「疲労そのもの」はまったくなくなっていないのです。
引用元:週刊ダイヤモンド「栄養ドリンク」を飲み続けると疲労は逆に蓄積する
栄養ドリンクにカフェインやアルコールが入っているなんて、調べてみて初めて知りました。
タウリンやビタミンB群など栄養成分による効果ではなく、カフェインの覚醒作用で元気になったような錯覚を受けていただけなんて・・・ショックです。
調べてみると、その他にも大量の砂糖や、発がん物質を生成する添加物の安息香酸Naが含まれている点も体に悪いと言われる理由のようです。
カフェイン
栄養ドリンク、特にエナジードリンクで問題視されているのは「カフェイン中毒」です。
カフェインといえばコーヒーのイメージが強いですが、栄養ドリンクにも同程度もしくはそれ以上含まれています。いくつかの商品のカフェインの含有量を調べてみたところ、次のような感じでした。
商品名(容量) | カフェイン含有量(1本) |
[参考]缶コーヒー ボス ブラック(185ml) | 約93mg (100mlあたり50mg) |
オロナミンC (120ml) | 18mg |
リボビタンD (100ml) | 50mg |
チオビタドリンク(100ml) | 50mg |
エスカップ(100ml) | 50mg |
レッドブル (330ml) | 80㎎ |
モンスターエナジー(355ml) | 142mg |
※成分表などでは「無水カフェイン」と表示されている場合もあります。
栄養ドリンクを1日1本飲むには、カフェインの摂取量は問題ありません。ですが、常用しているとだんだん栄養ドリンクの効果を感じにくくなり、短時間で何本も飲んでしまいカフェイン中毒になる人が増えています。
特に危険なのがエナジードリンクです。
医薬部外品である栄養ドリンクでは「1日50㎎まで」と厚生労働省が規定し、用法・用量欄には「1日1回1本を服用」と書かれているものが多いですが、清涼飲料水や炭酸水であるエナジードリンクにはその規定が適用されません。
そのため50㎎以上含まれている商品が多く、最近ではカフェインの含有量が増える傾向にあるようです。
日本中毒学会の調査では、2011年から5年間で101人が救急搬送され、そのうち3人が亡くなったというデータがあります。
長時間の派遣の仕事を乗り切るため、立て続けにエナジードリンクを3本と栄養ドリンクを1本飲みました。しかし、その直後、悪寒が走り、手がしびれ、立っているのもつらくなりました。病院に駆け込んだところ、医師からカフェインの中毒症状と診断されました。ボトルには使用量の表示はなく、真中さんは“3、4本なら問題ないだろう”と考えたといいます。
引用元:NHK クローズアップ現代-急増!カフェイン中毒 相次ぐ救急搬送 いま何が
アルコール
成分表を気をつけて見てみると、確かにアルコールが含まれていることを明記している栄養ドリンクがいくつかありました。
商品名(容量) | アルコール含有量 |
[参考]缶ビール のどごし生(350ml) | 17.5ml(5%) |
チオビタゴールド(30ml) | 0.2mL以下 |
リポビタンファインプレシャス(100ml) | 0.15mL以下 |
チョコラBB ドリンクⅡ(50ml) | 0.1mL |
エスカップ(100ml) | (含有量未記載) |
上記の他にも、実は微量のアルコールが含まれている栄養ドリンクは多いようです。
水に溶けにくい薬効成分を溶かすためにアルコールが使われ、わずかに残っていることが理由です。1%以下のため商品説明などにはアルコールが含まれていることが書かれていない場合も多く、かといって表記がないから入っていないとは限らない点が嫌なところですね。
妊婦やお子さん、車を運転する方などは、注意するようにしましょう。
まずはオロナミンCに含まれるアルコールですが、実際メーカーに問い合わせたところ、ガラナ成分の抽出時や香料などにアルコールが使われており、現在では1本(120ml)中の約0.4%にあたる0.48mlほどアルコールが含まれているとのことです。
1984年の北海道消費者協会などのデータによると、ドリンク剤ではリポビタンDが100ml中約0.3ml、新グロモントで100ml中約0.6ml、ユンケルDには50ml中0.8ml含まれています。
引用元:薬とアルコール
糖分
栄養ドリンクには、糖分が多量に含まれていることが多いです。
ジュースなどの炭酸飲料水にもよく言われることですが、大量に飲むと肥満や糖尿病のリスクがあります。
安息香酸Na
安息香酸Na(あんそくこうさん ナトリウム)は、避けたほうがいい添加物と言われています。
食品の防腐剤、防カビ剤として使われている添加物ですが、ビタミンCと反応してベンゼンという発がん性物質を生成するためです。
参考:生活クラブ 12種類の要注意添加物リスト
栄養ドリンクや炭酸飲料に含まれている場合が多いと言われていて、今回調べた栄養ドリンクの中では次の4つに含まれていました。
- リボビタンD
- リポビタンファインプレシャス
- モンスターエナジー
- エスカップ
安心して飲める栄養補給のドリンクは?
カフェインやアルコールが入っていなくて、栄養補給による疲労回復が期待できるドリンクはあるのでしょうか?
先ほど紹介した梶本修身先生によると、飲む点滴とも言われる「甘酒」がバランスのよいタンパク質の補給になり、おすすめとのことです。
甘酒には、疲労回復に欠かせない栄養素として多くの栄養ドリンクに入っているビタミンB群が入っているだけでなく、それ以外にも必須アミノ酸やミネラル、ブドウ糖が豊富に含まれています。
確かに甘酒は「天然の栄養ドリンク」とも言えそうです。
甘酒には酒粕で作ったアルコールが含まれる「酒粕甘酒」と、米と米麹で作りアルコール0%の「米麹甘酒」の2種類があります。「米麹甘酒」ならアルコールもカフェインも含まれていないので安心して飲むことができます。
まとめ
栄養ドリンクは、次の4つが含まれているため体に悪いと言われています。
- 大量のカフェイン
- アルコール(微量)
- 大量の砂糖
- 安息香酸Na
栄養補給により疲労を回復しているように思えた栄養ドリンクでしたが、実際はカフェインの覚醒作用で元気になった錯覚を受けているだけでした。栄養ドリンクというよりは、興奮剤入りドリンクという印象です。
栄養補給による疲労回復を狙うなら、天然の栄養ドリンクともいえる「甘酒」がおすすめです。
米と米麹で作る「米麹甘酒」ならアルコールもカフェインも含まれていないので安心して飲むことができます。
もっと知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
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