菜種油とサラダ油の違いは?高くても菜種油を選んだほうがいい理由はなに?

調味料

サラダ油と比べると、菜種油はかなり高いものが多いですよね。ある菜種油は、安いサラダ油の約3倍の値段がついていました。びっくり!

菜種油とサラダ油は、何が違うのでしょう?それぞれの油の特徴や、向いている料理。高くても菜種油を選んだほうがいい理由などを調べてみました。

菜種油とは

特徴

アブラナ科(菜の花)の種(菜種)から採取した油で、日本やアジアでは昔から利用されてきました。日本書紀にも記載があるほどです。

 

当時の菜種油は、高級食材だったので一部の人しか食べれませんでしたが、江戸時代に生産が増えて天ぷら油として広まりました。

 

ほとんど無臭で、軽くあっさりとした味が特徴です。
クセが少ないので、揚げ物や炒め物など幅広く使えます。最近では、バターの代わりとして菜種油をつかいお菓子を作る人も増えています。

 

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メリット

菜種油のメリットは、食品としての安心感があること。

 

国産なたね油は、国産へのこだわりが強く、より自然な食品を求める消費者(生協会員等)に支持されているものの、需要は極めて限定的となっていることから、国産なたね油の特徴(圧搾法による色・風味の良さ)や希少性を最大限に引き出した製品づくりのため、契約栽培の推進等を通じ、農業者と搾油事業者等との連携を促進しています。

引用元:農林水産省-なたね

 

菜種油を作っているメーカーは、原材料や作り方にこだわりをもっている国内の油屋さんが多いです。

例えば、原材料には遺伝子組み換え技術が使われていない菜種を使い。菜種から油を抽出するには、風味を損なわない圧搾法を用いています

 

油脂原料を圧搾することによって油を得る方法。搾油。おもにナタネ,ゴマ,落花生などの含油量の多い (植物) 原料に用いられる。

引用元:圧搾法とは

 

日本では遺伝子組み換え作物の商業栽培は、行われていないそうです。国産菜種の新品種を開発するときも、遺伝子組み換え技術は使わずに品種改良されてきました。

原材料に国産菜種を100%使用しているなら、遺伝子組み換え技術が使われていない菜種でつくられていると思って大丈夫です。

デメリット

菜種油のデメリットは2つあります。

  • 値段が高い
  • 心疾患の成分が含まれている菜種がある

 

それぞれ説明していきますね。

値段が高い

菜種油の一番のデメリットは、値段の高さですよね。

 

スーパーに並ぶ安いサラダ油と比べると、ある菜種油は約3倍近い値段がしました。

国産の菜種油(容量 1650g) 1646円
大手メーカのサラダ油(容量 1500g) 524円

 

サラダ油と比べて、値段が高くなる主な理由がこちら。

  • 原材料の価格が高い
  • 抽出できる量が少ない

 

安いサラダ油は、ほとんどが輸入した菜種を原材料にしています。国産菜種と比べると1/2~1/3も価格が安いそうです。

 

また1つの菜種から抽出できる量も違っています。圧搾法は菜種を押しつぶして抽出します。この方法では菜種に含まれるすべての油を採油できません。石油系溶剤を使って抽出すると、99%以上抽出できると言われています。抽出できる油の量が多いので安くできるんですね。

心疾患の成分が含まれている菜種がある

今回調べていて不安を感じたのが、菜種には過剰摂取すると「心疾患(心臓障害)」を引き起こすおそれのある成分、エルカ酸(エルシン酸)が含まれていることです。

 

エルカ酸の問題は、ラットによる実験で判明しました。ラットへの影響のみで人間には影響がないという説もありますが、気になりますよね。

 

このエルカ酸問題を最初に解決したのが、カナダで開発されたキャノーラ油です。

国産菜種油の状況は?

国産の菜種は、エルカ酸が含まれているのでしょうか?

 

農林水産省の資料を調べたところ、日本でもエルカ酸が含まれない菜種の品種が開発され、普及が進められていることが分かりました。

 

例えば、次のような品種があります。

  • キザキノナタネ
  • キタノキラメキ
  • キラリボシ
  • ななしきぶ
  • ななはるか

参考:農林水産省-そば及びなたねをめぐる状況について

 

日本で製造される食品の成分調査を行っている文部科学省の資料によると、国産の菜種油は品種改良されたエルカ酸を含まない菜種を使って作られているそうです。良かった、安心しました。

 

「なたね油」は、ナタネの種子から採油したもので、元来、脂肪酸組成において心疾患に影響があるとされるエルカ酸が約45 %含まれていた。品種改良の結果、エルカ酸をほとんど含まない種子が利用されるようになった。
引用元:文部科学省-日本食品標準成分表2015年版(七訂)-油脂類

サラダ油とは

特徴

サラダ油は、その名のとおりサラダに使うことを想定してつくられた油です。サラダは比較的冷たい状態でだされるので、低温でも固まらないように精製されています

 

サラダ油は、JAS(日本農林規格)によって規定されていて、条件を満たしたものだけがサラダ油の商品名をつけられます。

 

主な条件は、次の2つです。

  • 0℃の温度で5.5時間放置しても固まったり、白く濁ったりしないこと
  • 原材料が、菜種(アブラナ)、綿実、大豆、ごま、紅花(サフラワー)、ひまわり、とうもろこし、米(米ぬか)、落花生であること

 

サラダ油と呼びがちですが、本来は原料名がつくので、菜種だけからつくられたサラダ油は「菜種サラダ油」という名称になります。2種類以上の原材料からつくられたものは、調合サラダ油と呼ばれます。

 

サラダ油は、菜種油から低温で固まる成分(ロウ分)を除いて作られます。つまり菜種油とサラダ油の違いは、精製度合いです

見た目もかなり違いますね。

サラダ油

菜種油

 

サラサラしてクセがなく、冷やした生野菜にかけても固まらないので、ドレッシングやマヨネーズを作るのに適しています。
炒め物や揚げ物にも使えますが、揚げ物は菜種油のほうがおいしくできると言われています。

メリット

サラダ油のメリットは、安さでしょう。

菜種油のところでも書きましたが、ある国産菜種油と比べると1/3の値段でした。

国産の菜種油(容量 1650g) 1646円
大手メーカのサラダ油(容量 1500g) 524円

 

毎日使うものですし、揚げ物をつくるときは使う油の量が多いので、安いのは魅力ですよね。

デメリット

サラダ油のデメリットにつながるのが、サラダ油の安さを実現している理由です。

  • 遺伝子組み換え作物が使われている
  • 石油系溶剤で抽出されている

 

遺伝子組み換え作物って健康に影響はないの?
石油系溶剤って安全なの?
って不安になりますよね。

 

サラダ油のデメリットは、健康への影響・不安を感じてしまうことです。

それぞれ詳しく説明していきますね。

遺伝子組み換え作物

サラダ油や菜種油には遺伝子組み換え食品の表示義務がありません。なので遺伝子組み換え作物からつくられた油なのか、そうではないのか知ることができないんです。

 

安いサラダ油の原材料には、輸入された菜種が使われています。約9割がカナダ産のキャノーラ品種です。

カナダでは、遺伝子組み換え技術で開発されたキャノーラ品種が主力となっているそうです。なので安いサラダ油は、遺伝子組み換え作物でつくられている可能性が高いです。

現在、輸入される搾油用ナタネの約9割は、カナダ産のキャノーラ品種です。カナダでは、遺伝子組み換え技術を利用して開発されたキャノーラ品種が主力となっていますが、輸入されるナタネについて、遺伝子組み換えのものとそうでないものは区別されることなく扱われるため、輸入ナタネには遺伝子組み換えナタネとそうでないものが混じっていることになります。けれども菜種油には遺伝子組み換え食品の表示義務はありませんから、私たちは、それと知らずに口にしていることになります。
引用元:奈良産業大学 – ナタネのはなし

石油系溶剤で抽出

菜種油のところでも書きましたが、安いサラダ油ではノルマルヘキサンという石油系溶剤を使い油を抽出しています。ノルマルヘキサンのにおいは、思わず顔をしかめてしまうほど「つんとくる強烈なにおい」だそうです。

 

ノルマルヘキサンは製造工程の中で除去されるので、精製されたサラダ油には含まれないと言われています。でも使わないで済むなら、そのほうが安心ですよね。

まとめ

菜種油とサラダ油には次のような違いがあります。

菜種油(国産) サラダ油
原材料 エルカ酸が含まれない菜種 菜種を含む9種類の作物のいづれか
精製度 精製油 精製油からロウ分を除去
向いている料理 炒め物や揚げ物 ドレッシングや炒め物
メリット 食品として安心感がある(遺伝子組み換えなし、圧搾法での抽出) 値段が安い
デメリット 値段が高い 健康への影響・不安がある(遺伝子組み換え作物、石油系溶剤での抽出)

 

菜種油は、サラダ油と比べると値段が高いですが、健康へのこだわりをもって作られているので安心して使うことができます。

 

国産の菜種油に使われている菜種は、心疾患のリスクがあるエルカ酸が含まれないように日本で品種改良されたものと言われていますが、もし不安があれば原材料の品種を確認してから購入するようにしてください。原材料欄には品種までは書かれていないことが多いので、メーカーや販売元の商品紹介ページなどで確認してみてください。

 

エルカ酸が含まれない品種で作られた国産の菜種油を調べたので、参考にしてください。

 

「一度使うと他の油を使う気になれない」とリピーターが多いのが、平出油屋の菜種油です。料理家のなかしましほさんが愛用されていることでも有名になりました。

玉締め圧搾法で菜種から油を抽出し、絞った油は手すきの和紙でゆっくりろ過して作られています。

北海道や東北の無農薬で栽培されたキザキノナタネを使用しています。

 

ムソーの国産なたね油は、圧搾法で抽出した一番搾りの油だけを使用し、お湯で不純物を洗い流す独特の製法で作られています。

北海道産のキザキノナタネを使用しています。

 

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