国産の菜種油(圧搾しぼり)は胃もたれしなくておいしいってホント?

調味料

天ぷらは好きだけれど胃もたれしてしまうので控えているという方、けっこういませんか?

 

菜種油には胃もたれする油としない油があり、胃もたれしないのは圧搾しぼりで作られた国産の菜種油と言われています。なぜ圧搾しぼりで作られた国産の菜種油は、胃もたれしないのでしょう?

圧搾しぼりとは

圧搾しぼりとは、菜種から油を取り出す方法の一つです。菜種油など食用油を取り出す方法には次の3つがあり、圧搾しぼりとは圧搾法を指しています。

 

名称 抽出方法
圧搾しぼり(圧搾法) 菜種などの原材料に圧力をかけて油を抽出します
抽出法 溶剤を使って原材料から油を抽出します
圧抽法 圧搾法と抽出法を併用する方法です

 

圧搾しぼりの圧力のかけ方には、押しつぶす方法(玉締め方式)とすりつぶす方法(スクリュープレス方式)の2つがあり、スクリュープレス方式が主流になっています。

 

玉締め方式とスクリュープレス方式の違い

玉締め方式(直圧式圧搾) スクリュープレス方式
抽出方法 菜種に強い圧力を加えて、圧し潰して油を抽出する。 スクリューの回転で菜種をすり潰し、油とカスを分離しながら油を抽出する。
メリット ろ過(ろ紙やろ布)の機能がついているので、キレイな油がとれる。 自動で連続作業ができ、大量生産向き。
デメリット 都度、手作業が必要で、1回の抽出に手間と時間がかかり、大量生産に向かない。 ろ過の機能がついていないので、微粉や殻が油に混ざり、濁った油になる。(ろ過工程が別で必要)

 

圧搾しぼりは、菜種の風味や味が損なわれず、溶剤などの薬品を使わないので安心して食べられるメリットがありますが、他の抽出方法と比べて価格が高くなりがちです。

 

抽出法や圧抽法は、溶剤を使い効率的に油を抽出できるので価格が安いメリットがある反面、溶剤にはノルマルヘキサンという石油系溶剤が使われることが多いので、健康への不安を感じる人も多いと思います。安い菜種油(サラダ油やキャノーラ油)は圧抽法で作られているものが多いです。

 

抽出方法については、こちらで詳しく紹介しています。

玉締め圧搾法で作る菜種油は一般的な抽出方法で作ったものと何が違うの?
国産の菜種油を調べていると「玉締め圧搾法」で作られていると書かれている商品を見かけませんか? 玉締め圧搾法は、菜種などから油を抽出する方法の一つです。 この方法で抽出されていると何がいいのでしょう?一般的な抽出方法で作られた菜種油と何が違うのか調べてみました。

 

国産菜種油はホントに胃もたれせずにおいしいの?

 

油の抽出方法によって、

  • 胃もたれする、しないなんて変わるの?
  • おいしさなんて変わらないんじゃない?

と思うかもしれませんよね。

 

本当に胃もたれしないのか、おいしさに違いがでるのかを、口コミやアンケートなどで調べてみました。

胃もたれしない?

例えば、圧搾しぼり(玉締め方式)で作られている平出油屋さんの国産菜種油には、『揚げ物がカラッと揚がり、胃もたれしなかった』という口コミが寄せられています。

 

美味しいし、揚げ物はカラッと揚がり、全く胃もたれしません。
引用元:楽天市場 – 平出油屋 菜種油 レビュー

普通のサラダ油と違い、胃がもたれることも無く、素材の良さが引き立つようです。
引用元:楽天市場 – 平出油屋 菜種油 レビュー

おいしい?

圧搾しぼりで作られた国産菜種油に対するアンケート結果の結果をみると、おいしいと回答している人が多く、まずいと答えた人はいませんでした
香りについては、良いと感じる人が多い一方で、きついと感じる方も若干いたようです。

 


引用元:国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 – 消費者調査による国産ナタネ油(圧搾法)の認知度と受容価格

 

圧搾しぼりで使われる国産の菜種は、安全に配慮し、こだわりをもって作られているものが多いです。

  • 無農薬や低農薬で栽培されているものが多い
  • 遺伝子組み換え技術が使われていない品種で栽培

なので、素材本来のおいしさや香りが出ているのだと思います。

 

国産の菜種油の安全性については、こちらの記事でも紹介しています。

菜種油とサラダ油の違いは?高くても菜種油を選んだほうがいい理由はなに?
サラダ油と比べると、菜種油はかなり高いものが多いですよね。ある菜種油は、安いサラダ油の約3倍の値段がついていました。 菜種油とサラダ油は、何が違うのでしょう?それぞれの油の特徴や、向いている料理。高くても菜種油を選んだほうがいい理由などを調べてみました。

圧搾しぼりが胃もたれせずにおいしい理由

 

胃もたれする菜種油の要因は分かっていないようですが、圧抽法では石油系の溶剤を使用したり、それを除去するために加熱したり、色々な添加物を使って油を生成します。それらが原因で胃もたれする油になっているのではないかという説があります。

 

圧搾しぼりと圧抽法のつくり方(油の抽出~精製の工程)の違いを、熱処理添加物の観点から比較してみました。

圧搾しぼり(玉締め方式)は、昔ながらの手法で作っている「平出油屋」さん、スクリュープレス方式はムソーや生活協同組合などの菜種油を製造されている「平田産業」さん、圧抽法は日本植物油協会で紹介されているつくり方を記載しています。

 

圧搾しぼり
(玉締め方式)
圧搾しぼり
(スクリュープレス方式)
圧抽法
1.圧搾
2.ろ過
1.圧搾
2.湯洗い
3.脱臭 ☆熱処理
4.ろ過 ★白土など
1.圧搾
2,溶剤抽出 ★ノルマルヘキサン
3.脱溶剤 ☆熱処理(ノルマルヘキサン除去)
4.脱ガム
5.ガム調整 ★りん酸
6.脱酸 ★水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)
7.水洗
8.脱色 ★白土
9.ろ過 ★ろ過助剤
10.脱臭 ☆熱処理
11.ろ過 ★ろ過助剤

 

比較してみると、圧抽法ではノルマルヘキサンや苛性ソーダなどの添加物が使われ、脱溶剤や脱臭工程で熱処理が行われるなど、添加物(★部分)や熱処理(☆部分)が圧搾しぼりと比べて多いことがわかります

 

圧搾しぼり(スクリュープレス方式)の場合は、玉締め方式のように圧搾時にろ過する機能がないため、湯洗いや脱臭、ろ過などで油をキレイにしています。脱臭工程で熱処理がされていますが、圧抽法と比べると熱処理は少ないです。

 

圧搾しぼり(玉締め方式)の場合は、加熱処理なし、無添加です。圧搾後の油のろ過も和紙を使っているので白土などは使用していません。

まとめ

菜種油が胃もたれするのは、油の精製過程で石油系の溶剤や様々な添加物を使い、加熱処理をしているためではないかという説があります。

 

圧搾しぼりは、油の抽出に溶剤を使わず圧力だけで絞り出します。口コミやアンケート結果をみると、圧搾しぼりで作られた国産の菜種油は、胃もたれせずにおいしいと感じている人が多いです。

 

天ぷらは好きだけれども、胃もたれしてしまって辛いという方は、圧搾しぼりで作られた国産の菜種油を使ってみてください。

 

圧搾しぼりでもメーカーにより作り方が違います。平出油屋さんは玉締め方式で熱処理なし、無添加。平田産業さんはスクリュープレス方式で、脱臭処理のために熱処理しています。熱処理が全くないほうが安心という方は平出油屋さん、菜種油の香りが苦手という方は脱臭処理している平出産業さんの菜種油がいいでしょう。

 

平出油屋さんの菜種油は、玉締め圧搾しぼりで作られていて非加熱、無添加。天ぷらはカラッとあがり、胃もたれしません。

 

平田産業さん(ムソー)は、脱臭のために熱処理されていますが、溶剤など口にできないものは使わない方針で安全・安心を心掛けて作られています。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました