妊婦なのに「酒粕が含まれていることを知らずに森永の甘酒(赤い缶)を飲んでしまった」ときに気になるのが、胎児へのアルコールの影響ですよね。
どの程度なら飲んでも問題ないのか、沸騰させてから飲んだら大丈夫なのか、などを含めて調べてみました。
森永の甘酒にはどの程度アルコールが含まれているの?
赤い缶を見れば、だれもが「見たことがある!」というほど、有名なのが『森永の甘酒』です。近所のスーパーやドラックストア、置いていないところはないのではと思うほど並んでいます。
ノンアルコールの清涼飲料水として売られているので、アルコールが含まれているとは思わず飲んでいる人も多いと思います。私も調べるまで、知りませんでした。
森永の甘酒は、原材料に酒粕が使われていて、1%未満ですがアルコールが含まれています。
森永のサイトを確認すると、妊娠中・授乳中の人は控えるよう書かれています。
缶の甘酒に含まれるアルコール分は1%未満であり清涼飲料水ですが
お客様のご体質によっては、アルコールに対して敏感に反応される方もいらっしゃいます。アルコール分がゼロではないので、弊社としましては、
運転前・妊娠中・授乳中のお客様はお控えいただくのが宜しいかと思います。
アルコールの胎児への影響は?
妊娠中にアルコールを飲むと胎盤を通してそのまま胎児に送られ、胎児性アルコール症候群(耳や目が小さいなどの顔を中心とする奇形や発育障害、知能障害)を引き起こす危険性があります。日本では1~2万人に1人の割合で発症していると考えられているそうです。
1日にビール中ビンで約2.5本(1250ml)、ワインではグラス約4杯(500ml)以上を常に飲んでいた場合、高頻度で発症することが分かっているそうです。
妊娠期にアルコールを常用すると、知能障害、発育障害を伴う胎児性アルコール症候群の子どもが生まれる可能性が高まる。我が国の研究では、1~2 万人の出生に 1 人と考えられている。脳の形成異常に対してはアルコールにたばこが加わると増強されることが、動物実験で確認されている。
また、胎児性アルコール症候群は、1 日に純アルコール(エタノール換算)60ml 以上の摂取で高頻度の発症が認められている。純アルコール 60ml は約 50g に相当し、ビールでは中瓶約 2.5 本(1250ml)、清酒では約 2 合(400ml)、ウイスキーではダブル約 2.5 杯(150ml)、ワインではグラス約 4 杯(500ml)に相当する。飲酒による異常のうち、奇形は妊娠初期に、発達遅延や中枢神経系の機能不全は妊娠末期の飲酒と関連がある。
少量のアルコールなら胎児に影響はない?
森永の甘酒に含まれているアルコール分は1%未満です。少量のアルコールなら胎児への影響はない気がしますよね。
実は『どのくらいの量のアルコールなら胎児に影響が出ないのか』は、分かっていないそうです。
日本人は欧米人に比べて体格が小さいこと、少量のアルコールでも、妊娠のどの時期でも胎児への影響がでる可能性があることから、「妊娠中は禁酒すべき」と言われています。
たとえアルコール分1%未満でも継続して飲むことは止めましょう。また、森永の甘酒を含め、酒粕入りの甘酒を飲んでいたことに気づいた時点で、担当のお医者様に相談し胎児の成長への影響を確認しておくと、気持ちが楽になると思います。
アルコールによる胎児の障害は妊娠中であれば何時でも起きる可能性があります。また妊娠中に飲酒しても安全なアルコールの量は明らかにされておらず、妊娠中の飲酒はその量や時期に関わらず胎児に悪影響を与える恐れがあるとされています。
引用元:妊婦のアルコール飲料の摂取による胎児への影響
欧米でFASの危険はないとされる飲酒量「1日1ドリンク、週に7ドリンク以下」(1ドリンク:純アルコール10g、ビール250ml程度)は、体格の小さい日本人には適応すべきではありません。妊娠と気付く前の飲酒もその時期の胎児の発育に影響し、それが大量飲酒であればFASや流産の危険があります。少量の飲酒でFASが生じる可能性は低いとはいえ、妊娠中の日本人女性における飲酒の安全域は証明されていないため、妊娠中は禁酒すべきです。
引用元:胎児性アルコール症候群(たいじせいあるこーるしょうこうぐん)
沸騰させて飲めば大丈夫?
少量のアルコールなら火にかけ、沸騰させてアルコールを飛ばせば、大丈夫になるんじゃないかと思ったことはありませんか?
アルコールは沸点が低く、火にかけると簡単に飛んでしまうと言われています。フランス料理などで、フライパンに火をいれて、一瞬でとばすフランベが有名ですよね。
沸騰させるとアルコールを完全になくせるように感じますが、結構残っているそうです。
フランベでは75%、ほとんどのアルコールが残っていることになります。15分では40%、2時間半煮ても5%は残っているそうです。甘酒を軽く沸騰させただけでは、ほぼ残っていることになります。
酒粕入りの甘酒でも沸騰させればアルコールは残らないだろうと思うのは危険です。
どの調理法でどれくらいアルコールが料理に残るのか、New Scientist誌の調べた結果を見てみましょう。
■ 料理に酒をかける場合
・ 沸騰している鍋に酒を入れ、すぐに火からおろす 85%
・ フランベ(酒を入れた後引火させる) 75%
・ 火にかけず、酒を加えた後一晩寝かせる 70%
・ 酒をかけ、混ぜずに25分焼く 45%■ 料理に酒を混ぜ込む場合
・ 15分 焼く(煮る) 40%
・ 30分 焼く(煮る) 35%
・ 1時間 焼く(煮る) 25%
・ 1時間半 焼く(煮る) 20%
・ 2時間 焼く(煮る) 10%
・ 2時間半 焼く(煮る) 5%
妊婦でも安心して飲める森永の甘酒
森永の甘酒は、酒粕が入っている赤い缶のものが有名ですが、その他にも色々な甘酒が発売されています。
中には妊婦でも安心して飲める甘酒があります。ピンクのパッケージの「森永のやさしい米麹甘酒」です。
酒粕は入っていないので、アルコールも0.00%です。
妊婦が安心して飲める「米麹甘酒」については、こちらの記事でも紹介しています。
まとめ
森永の赤い缶の甘酒は、酒粕が入っているため1%未満ですがアルコールが含まれています。
アルコールは少量でも胎児に影響がでる可能性があります。また酒粕入りの甘酒は、沸騰させてもアルコールが残っている可能性があります。妊娠中は飲まないようにしましょう。
森永のピンクのパッケージの「森永のやさしい米麹甘酒」は、米麹と食塩のみでつくられていて、アルコールは含まれていません。妊娠中で森永の甘酒を飲みたくなったら、こちらを選ぶようにしてくださいね。
最近は、米麹甘酒ブームで色々なメーカーから酒粕の入っていないアルコール0.00%の甘酒が出ています。マルコメの「プラス糀 糀甘酒」では、ミランダ・カーさんが妊婦姿で登場して話題になりましたね。
色々な甘酒をこちらで紹介しているので、参考にしてください。
※原材料も併せて記載しているので、かならず酒粕が入っていないものを選んでください。
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