1日に必要な乳酸菌をヨーグルトだけで摂る場合、目安になる量は200~300gと言われています。
毎日続けるにはヨーグルトばかりたくさん食べないといけないし、こんなに乳製品を取って大丈夫かな?と不安にもなりますよね。
乳酸菌は漬物やキムチ、味噌などの発酵食品にも含まれています。
ですが、ヨーグルトほど乳酸菌が入っているイメージはないですよね。
漬物やキムチなどの食品で、ヨーグルトの代わりに乳酸菌を摂ることは出来るのでしょうか?
一日に必要な乳酸菌をとるためのヨーグルトの量って?
乳酸菌を研究されている辨野先生は、ヨーグルトで1日に必要な乳酸菌を摂るなら200~300gが目安とおっしゃっています。
老化した腸内は常に善玉菌の“人手不足”だから、毎日ヨーグルトを1日200~300gを目標に食べてください。
引用元:どれが欠けてもだめ! 腸内革命を起こす「5種の神器」
カップのヨーグルトが約100gなので、それを毎食後に食べるイメージでしょうか。
ヨーグルトだけでなく、漬物やキムチなどの発酵食品も組み合わせて、一日に必要な乳酸菌を摂るほうが無理なく続けられそうです。
発酵食品に含まれる乳酸菌はどのくらい?
毎日の食事に取り入れやすい漬物やキムチ、味噌に含まれる乳酸菌はどのくらいなのでしょう?
漬物
漬物は、1gあたり数千~1億個の乳酸菌が存在していると言われているそうです。
乳酸菌が豊富なぬか床でつけた漬物なら、1~2切れでヨーグルト100g並みの乳酸菌が摂れるといわれているから凄いですよね。
京都の「すぐき漬け」は、医学博士の岸田綱太郎さんが「ラブレ菌」という乳酸菌を発見したことで有名になりました。
カゴメ株式会社から「ラブレ菌」を使った乳酸菌飲料やサプリメントが発売されているので、名前を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
漬物は塩分が気になるという方もいますよね。そういう方には、長野県の木曽地方に伝わる「すんき漬け」をおすすめします。
「すんき漬け」は塩を使わずに赤カブの葉を乳酸菌発酵させた漬物なので、塩分を気にせずに食べることができます。
キムチ
キムチもヨーグルトと同じくらいの乳酸菌を含んでいると言われています。
ところで、キムチといえば唐辛子の入った赤いキムチが一般的ですが、キムチにはもうひとつ「水キムチ」というのがあるのをご存知ですか?
水キムチは、漬けるときに唐辛子を入れないため辛くなく、色も赤くありません。
韓国では、漬けたお野菜はもちろん、残った漬け汁を冷麺のスープに利用するそうです。
この水キムチには、赤いキムチの約2倍の乳酸菌が含まれていると言われています。
味噌
味噌に含まれる乳酸菌の数は、それほど多くないようです。
みそ造りでは、乳酸菌により酵母が発酵しやすい環境う作りだす目的で、乳酸菌を積極的に使う製造方法がありますが、蔵や原料由来の乳酸菌が含まれることもあります。
ただし、乳酸菌の数はそんなに多くありません。
引用元:神州一味噌:みそと乳酸菌
ですが味噌は、乳酸菌効果だけでなく、美肌効果など他の効果も期待できるので、漬物やキムチと一緒にいただいてもいいと思います。
発酵食品の選び方は?
漬物の種類の選び方
色々な種類がある漬物ですが、発酵を伴うものとそれ以外のものがあります。
ぬか漬け、野沢菜漬、べったら漬けなどは発酵を伴う漬物なので乳酸菌を含んでいますが、浅漬け、しば漬けは、漬け汁につけるタイプで発酵を伴わないため乳酸菌は含まれません。
しば漬けは、以前は発酵タイプの漬物でしたが、近年では作り方が変わり漬け汁タイプになったそうです。
しば漬けが好きな方は、「生しば漬け」を探してみてください。
「生しば漬け」は、発酵させて作る昔ながらのしば漬けなので乳酸菌が含まれます。
千枚漬けも同様で、昔ながらの製法で作られているものは乳酸菌が含まれる発酵タイプですが、多くは漬け汁タイプの製法に変わってしまったそうです。
お店やホームページで製造方法を確認したり、原材料に「漬け原材料」などの記載がないことを確認してみてください。
市販の漬物やキムチの選び方
実は、市販されている漬物やキムチには、生きた乳酸菌が含まれているものは少ないそうです。
市販の漬物は、調味料で味を付けた“発酵した漬物風”のものが多い。また、発酵させたものであっても、乳酸菌が生きたままだと味が変化してしまうため、乳酸菌を死滅させて発酵をとめてあるものも多い。
「漬物から生きた乳酸菌をとりたい場合、手作りのぬか漬けやキムチがおすすめです。手づくりが難しければ、ぬか漬けは青果店の店先などで売られているものを買うといいでしょう。キムチは時間がたつと酸っぱく変化するタイプのものを選んで」
引用元:乳酸菌は生きて腸に届く?ビフィズス菌との違いは?
これショックですよね。
乳酸菌が摂れると思って買ったのに、意味がなかったということになりかねません。
市販品を選ぶ場合は、そのお店で手作りされている漬物や、無添加のキムチを選ぶのがコツです。
漬物、水キムチなどのレシピ情報
漬物や水キムチ、味噌も自宅で作ることができます。
簡単に手作りできる商品や、参考になりそうなレシピが載っているサイトをご紹介しますね。
ぬか漬け
ぬか漬けを手作りするときに面倒なのが、ぬか床の用意です。
新しいぬか床にクズ野菜(ヘタとか)を漬けて、乳酸菌や酵母などの微生物を増やす「捨て漬け」を3~4日×2回ほどする必要があります。
その後、野菜を漬ける本漬けになりますが、実はこの時点での乳酸菌はまだまだ少ないそうです。
乳酸菌たっぷりのぬか床になるには、2ヵ月以上はかかると言われています。
そこで利用したいのが「捨て漬け」不要のぬか床です。
例えば、「樽の味 おばあちゃんの味 熟成ぬか床」は、「樽の味」という「たくあん」を付けた後のぬか床です。
以前は捨てていたのですが、スタッフの間で「家でおいしいぬか漬けができる」と評判になり、商品化したそうです。
水キムチ
水キムチは、わりと簡単にできます。
・漬けこむ野菜を、3時間ほど塩漬けします。
・鍋に米のとぎ汁を沸騰させ、しょうがやニンニク、塩、砂糖を入れ漬け汁を作ります。
・その二つを併せて、一晩常温で寝かせたあと、さらに冷蔵庫で3日ほど漬けると出来上がり。
ね、手軽ですよね。
夏は2週間くらい、それ以外は1ヵ月ほど持つそうです。
ザワークラウト(ドイツの漬物)
ザワークラウトも家で手軽にできる漬物です。
キャベツと塩さえあれば作れるドイツの発酵食品で、キムチと同じくらい乳酸菌が豊富です。
日本では馴染みが薄いかもしれませんが、ドイツ料理店のソーセージなどで端に添えられている酸っぱいキャベツです。
キャベツを千切りにし塩でもみ、常温で1~5日ほど置き(味見して酸味があり泡が立つ事が目安)、そのあと冷蔵庫で保管します。
約1ヵ月ほど持つそうです。
ヨーグルトの乳酸菌と発酵食品の乳酸菌に違いはあるの?
ヨーグルトの乳酸菌と、漬物やキムチなどに含まれる乳酸菌は、何か違いがあるのでしょうか?
学術的にはどちらも乳酸菌なので違いはありませんが、乳酸菌の生息環境によって動物性乳酸菌と植物性乳酸菌に分けるという考え方があります。
ヨーグルトなどに生息する乳酸菌は動物性乳酸菌、漬物やキムチなどで使われる植物に生息する乳酸菌は植物性乳酸菌に分類されます。
乳酸菌は胃酸に弱く、ほとんどが死滅してしまい生きたまま腸に届かないと言われていますが、これは動物性乳酸菌に当てはまることで、植物性乳酸菌は酸や塩の強い過酷な環境でも生息できるので、生きて腸に届くそうです。
参考植物性乳酸菌研究から広がる応用
また、漬物や味噌、醤油は昔から日本人が食べてきていた食品なので、最近食べるようになったヨーグルトなどの乳製品に含まれている乳酸菌より日本人の腸との相性がいいとも言われています。
植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の違いについては、こちらで詳しく紹介しています。
まとめ
漬物やキムチでも、ヨーグルトの代わりに乳酸菌は摂れることが分かりました。
漬物などに含まれている植物乳酸菌は、生きたまま腸に届き、日本人の腸との相性も良さそうです。
市販品を買う場合は、生きた乳酸菌が豊富に含まれている漬物やキムチかどうか、しっかり確認する必要があります。
近くのスーパーなどで手に入らない場合は、手作りにチャレンジしてみてもいいかもしれません。
毎日の子育てや仕事が忙しくて手作りする時間がなかなか取れないという方は、植物乳酸菌のサプリを利用するというのはいかがでしょう?
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そのまま食べてもいいですし、粉末なので普段のお料理にさっと振りかけて使うこともでき、とても手軽です。
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