「飲む点滴」と言われるほど栄養価が高い甘酒。
最近では、夏バテ対策としても人気がありますね。
甘酒を飲みたいけれど、妊婦の私が飲んでも大丈夫かな?
「酒」とついているのでに、赤ちゃんへの影響が不安になりますよね。
甘酒には、妊婦が飲んでも大丈夫なものと、ダメなものがあります。
違いをしっかり確認して、安心して飲める甘酒を選びましょう。
妊婦が飲める甘酒、飲めない甘酒
妊婦も飲める米麹甘酒
名前に「酒」とついているけれど、甘酒はアルコールが入ってなく子供でも飲めるイメージがありませんか?
実は甘酒には、アルコールが含まれていないものと、含まれているものの2つあります。
この違いは原料によるもので、米麹を使っているものはアルコールが含まれてなく、酒粕を使っているものはアルコールが含まれます。
農林水産省では米麹を使ったものを甘酒としているので、アルコールが入っていないイメージが広がっているんですね。
甘酒には米麹と酒粕の2種類があり、ノンアルコールの甘酒は米麹から作られています。
アルコールを妊婦が摂取すると、胎盤を通してそのまま胎児に送られ、胎児性アルコール症候群という症状を引き起こす危険性があります。
胎児性アルコール症候群とは、妊娠中の母親の習慣的なアルコール摂取によって生じると考えられている先天性疾患の1つです。
妊娠中に甘酒が飲みたくなったら、アルコールが含まれていない米麹を使った甘酒を選びましょう。
米麹と酒粕の見分け方
市販の甘酒のほとんどは、酒粕が入っています。
酒粕は米麹よりも原価が安いため、酒粕が使われている場合が多いんです。
原材料名をみると、その甘酒に酒粕が入っているかどうかが分かります。
例えば、森永は米麹甘酒、酒粕甘酒の2つを作っています。
【参考】森永:甘酒ラインナップ
よく見る赤い缶の「森永甘酒」は『原材料名:砂糖、酒粕、米麹、食塩、酸味料』
一方ピンクの「森永のやさしい米麹甘酒」は『原材料名:米麹、食塩』
「森永甘酒」には酒粕が使われていて、「森永のやさしい米麹甘酒」は酒粕が入っていないことが分かります。
買うときは、米麹甘酒なのか、よく確認してくださいね。
米麹と酒粕甘酒の違い
米麹と酒粕の甘酒の違いを、もう少し確認していきましょう。
一番大きな違いはアルコールの有無ですが、その他にはカロリー、栄養価の違いがあります。
アルコールについて
米麹は、蒸したお米に麹菌を繁殖させたものです。
米麹甘酒は、お米に加水、加熱したものに米麹を混ぜて発酵させたものです。
これは日本酒のもとと同じものです。
日本酒は、ここに酒母(日本酒を作る発酵のたね)を混ぜ、発酵させます(もろみ)。
酒母の酵母が糖をアルコールに分解するので、その酒母を加えていない米麹の甘酒の段階ではアルコール分が含まれないということになります。
酒粕は、もろみの絞りかすなのでアルコールを含みます。
酒粕のアルコール度数は6~8%で、これはビールと同じくらいの度数になります。
けっこう高いですよね。
市販の甘酒は、レシピにより多少違いますがアルコール分1%以下(ノンアルコールと表示できる状態)にして、販売されています。
そのため酒粕で作られた甘酒を飲んでも、アルコールが含まれていることを感じなかったという方も多いと思います。
1%以下とはいえ、常用するのは危険。
妊婦の方はアルコールが含まれていない、安心して飲める米麹甘酒を選ぶようにしましょう。
カロリーと栄養素について
米麹甘酒は、お米のでんぷん質を麹菌がブドウ糖に変えることで、自然な甘味を出します。
酒粕甘酒は、米麹甘酒のような自然な甘みがないので、ほとんどの場合で砂糖を加えています。
酒粕は、お米の多くの糖分がアルコールに変わった後の絞りかすなので、米麹甘酒よりカロリーが低めです。
ですが、砂糖を加えることにより酒粕甘酒のほうがカロリーが高くなります。
また、栄養素も違います。
米麹甘酒に比べて酒粕甘酒は、発酵期間が長い分ビタミン類は高め、酒粕は絞りカスなのでミネラル類は少なめになっています。
妊婦にうれしい甘酒の効果
妊婦にも赤ちゃんにも、うれしい効果がたくさんあります。
妊婦の栄養補給
「天然の栄養ドリンク」とも言われるほど栄養価が高い甘酒。
つわりがひどくて食事がとれない妊娠中の栄養補給としても便利です。
「飲む点滴」と言われている甘酒は、米麹甘酒を指しています。
甘酒にはブドウ糖、必須アミノ酸、ビタミンB群、ミネラルなど豊富に含まれています。
これが点滴と同じなので「飲む点滴」と呼ばれているんですね。
お腹の赤ちゃんに必要な葉酸
甘酒には、妊婦が積極的にとるように言われている、お腹の赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素の「葉酸」が含まれています。
厚生労働省は「付加的に400μg/日の[葉酸]の摂取が望まれる」としていて、妊娠中は通常の2倍以上の摂取が必要と言われています。
葉酸は、ほうれん草、ブロッコリー、レバーなどに含まれていますが、水・熱・光に弱く、調理の過程で損失してしまうことも多く、不足しがちな栄養素です。
調理で取るのが難しい葉酸が、手軽に取れるのはうれしいですよね。
お腹の赤ちゃんの脳や脊髄の元になる神経管の形成に必要とされています。
水溶性なので水に溶けやすく、熱や光にも弱いとされています。
ほうれん草の抽出物から発見されたため「葉酸」と名付けられたそうです。
【参考】
農林水産省:妊婦さんに大切なビタミン、葉酸
厚生労働省:神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について
便秘の解消と免疫力アップ
妊娠中の悩みで多いのが「便秘」。
すっごく辛くてなんとかしたいけれども、便秘薬は使いたくないですよね。
甘酒には食物繊維や、大腸で善玉菌のエサとなるオリゴ糖が豊富に含まれています。
腸内の善玉菌を増やして、腸内環境を整えてくれる働きがあるので、便秘解消に効果的です。
そして善玉菌が増えると、さらに良いことが。
善玉菌が優位な腸内は、免疫力がアップします。
妊婦にとって大切なのが体調管理。
風邪をひいても赤ちゃんへの影響を考えると、薬を飲めないので治りにくい。
腸内環境を整え免疫力がアップすることで、風邪を引きにくくなります。
甘酒は飲む量に注意
米麹甘酒のコップ一杯(200ml)あたりのカロリーは、約160kclです。
これはお茶碗半分のごはんとほぼ同じ、結構多いですよね。
なので、飲みすぎ厳禁。
1日あたりコップ1杯が目安と言われています。
毎日、何杯も飲んでいると太ってしまうだけでなく、甘酒に含まれるブドウ糖のために糖尿病になるリスクもあります。
継続して飲むなら、1日コップ1杯の量を守るようにしましょう。
また、飲む時間帯は朝がおすすめです。
胃腸の働きを助けてくれて便秘解消に効果がありますし、ブドウ糖は体内でエネルギーに変わりやすいので午前中から元気に活動できます。
まとめ
栄養価が高く、整腸作用もある、妊婦にもお腹の赤ちゃんにもうれしい甘酒。
アルコールが含まれない米麹甘酒なら、妊婦でも安心して飲めます。
例えば、『飛騨天領酒造 造り酒屋の「甘酒のもと」』は、通常のお米と比べると糖度が1割5分高いと言われる高価なお米と、米麹で作った甘酒です。
そのままストレートで飲んでもいいし、自分の好みの濃さに薄めて飲んでもいいので、その日の体調に合わせて味を楽しめます。
甘酒を飲みたくなったら、米麹甘酒を選んでくださいね。
色々な甘酒をこちらで紹介しているので、参考にしてください。
※原材料も併せて記載しているので、かならず酒粕が入っていないものを選んでください。
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