麹(こうじ)とは?麹菌の働きや健康・美容効果、糀との違いなどを紹介

発酵食品

味噌や醤油などの発酵調味料や、日本酒などを作るのに欠かせない麹(こうじ)。

健康にいいだけでなく、最近では美容分野でも注目されています。

麹とは何で、どのような働きや効果があるのかや、糀との違いなどを調べてみました。

麹とは

麹とは、米や大豆、麦などの穀物麹菌付着(まぶしたり、吹き付けたり)し、繁殖させたものです。

麹をさらに米や大豆などに混ぜて発酵させることで、味噌や醤油、日本酒などの発酵食品が出来上がります。

 

 

麹菌は、コウジカビという微生物です。麹菌は様々な酵素を作り出し、穀物のデンプンを糖に分解したり、タンパク質をアミノ酸に分解します。

 

麹菌は、(学名)アスペルギルスに分類される菌ですが、昔から麹として味噌や醤油、日本酒などの発酵食品に利用されてきたことから、麹菌(コウジカビ)という名前が付きました。

麹菌は、昔から日本の食文化に利用されてきたことから、2006年に日本醸造学会から「国菌」に認定されました。

 

麹菌にも種類があり、作る発酵食品の種類や味によって使い分けられています。代表的なものは、次の4つです。

  • 黄麹菌
  • 黒麹菌
  • 白麹菌
  • かつお節菌

 

代表的な麹菌は黄麹菌で、多くの麹に使われています。

黒麹菌は焼酎や泡盛を作るときの麹に、白麹菌は焼酎を作るときの麹に使われています。

白麹菌の麹で作った焼酎は、黒麹菌の麹で作った焼酎と比べ、マイルドで軽く飲みやすいと言われています。

麹の種類

麹は、麹菌を付着・繁殖させる穀物(米、大豆など)によって種類が分かれています。

代表的なものは、次の3つです。

  • 米麹
  • 豆麹
  • 麦麹

 

麹の種類によって味などが変わるので、例えば同じ味噌でも、味噌の種類によって使い分かられています。個々の麹の種類の説明の中で、代表的な味噌の種類を紹介していきます。

米麹

米麹は、もっとも代表的な麹です。

 

味噌や醤油、日本酒などの麹(原材料)として幅広く使われています。

最近では米麹を使った甘酒や、塩こうじ作りなどで家庭でも利用されています。

 

国内で作られている味噌の約80%は米麹で作られていて、信州味噌が代表的です。

豆麹

大豆に麹菌を繁殖させたもので、主に豆味噌に使われています。

 

豆味噌は、愛知県など東海地方を中心に作られている味噌で、八丁味噌や三州味噌、名古屋味噌などが代表的です。

麦麹

麦味噌や、麦焼酎、醤油などに使われています。

麦麹で作った味噌は、米麹で作った味噌よりあっさりしているそうです。

 

麹と糀の違い

甘酒などで糀(こうじ)と書かれている商品を見たことがありませんか?

糀は麹とは漢字が違いますが、どちらも同じこうじ」のことです。

 

麹は中国から来た漢字で、糀は日本で作られた漢字(国字)です。米に麹菌が「花が咲くように生える様子」から生まれたことから、特に米麹をさします。

麹の効果

健康への効果

代謝や疲労回復を助ける

麹菌は、たくさんの酵素を作り出します。そのため麹にはたくさんの酵素が存在し、その種類は100種類とも言われています。

酵素とは?身体の中でどんな働きをしてくれるの?
最近、注目されている「酵素」。 名前はよく聞くけれど、どんなものかよく分からないという人も多いですよね。 酵素とは何か、私たちの身体の中ではどんな働きをしてくれるのかについて調べてみました。

 

麹にはビタミン類を作り出す働きのある酵素もあり、ビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6、ナイアシンなど)が豊富に作り出されます。

 

酵素は消化や代謝に必須といわれている栄養素で、ビタミンB群は疲労回復や肌の代謝に役立つといわれています。

 

麹を原材料とする食品で疲労回復効果があると有名なのは、米麹甘酒。飲む点滴と呼ばれ、夏バテ対策として人気がでています。

甘酒は健康にいい?「飲む点滴」と言われるけど、どんな効果が期待できる?
「飲む点滴」と言われている甘酒。 夏バテ対策など、健康になれそうだからと甘酒に興味を持つ方が増えています。 健康にいい甘酒ですが、飲むのに注意が必要な人や、飲みかたを気をつけないと思わぬ結果になってしまうことがあります。

消化・吸収しやすくなる

麹で発酵された食材は、麹菌の作り出す酵素の力で、デンブンが糖(オリゴ糖)に分解されたり、タンパク質がアミノ酸に分解されます。

 

栄養素をある程度分解された状態で食べることができるので、体内で消化・吸収しやすくなります。

便秘改善や免疫力の向上

麹に含まれる酵素によって作られたオリゴ糖は、腸内の善玉菌のエサとなり、善玉菌を増やすのに役立ちます。

善玉菌が増えることにより、腸内環境が整い、便秘の改善や免疫力の向上などが期待できます。

 

食材への効果

食材が美味しくなる

麹で発酵されることで食材のタンパク質が分解され、うまみ成分のアミノ酸が作りだされ、美味しさがアップします。
また、タンパク質が分解されることで、肉などが柔らかくなり、食べやすく美味しくなることがわかっています。

 

麹の家庭での使い方としては、塩麹(塩こうじ)が有名です。

【参考】塩麹の作り方:寺田本家の天然麹レシピ-塩麹

塩麹に30分間漬け込んだ実験では、鶏肉、牛肉、豚肉とも漬け込んでいない状態と比べて柔らかくなり、特に牛肉では38%も柔らかくなったそうです。
参考:マルコメ-麹を使うとお肉がやわらかくなる!?

食品添加物なしで保存性が高まる

発酵食品は、保存食としても利用されてきました。

 

食材を発酵させる微生物の働きにより、食品を腐敗させる雑菌(望まない微生物)の繁殖を抑える効果がでるためです。

 

例えば、かつお節。
かつお節菌が見つかる前は、自然につく菌を利用していました。自然につく菌の場合は、雑菌も繁殖してしまい、日持ちしなかったそうです。かつお節菌で発酵させることで雑菌の繁殖が抑えられ、長期間保存できるようになりました。

美容への効果

シミ予防

麹や日本酒を利用した化粧品を、目にしたことはありませんか?

日本酒をつくる杜氏の手が白くきれいなことから、美容業界からも麹の効果が注目されています。

 

例えば、麹に含まれているコウジ酸は、美白成分として認可されています。
コウジ酸には、シミの原因になるメラニンを作る酵素の働きを抑える効果があるため、シミ予防の化粧品などで利用されています。

まとめ

麹とは、米などの穀物に麹菌を付着し、繁殖させたものです。

麹菌は、コウジカビという微生物で、様々な酵素を作り出し、穀物のデンプンを糖に分解したり、たんぱく質をアミノ酸に分解します。

 

麹には次のような健康や美容などの効果が期待できます。

  • 疲労回復や代謝を助ける
  • 消化・吸収しやすくなる
  • 腸内の善玉菌が増える
  • 食材が美味しくなる
  • 食品添加物なしで保存性が高まる
  • シミ予防

 

家庭でも甘酒や塩麹であれば、手軽に麹を使うことができるのではないでしょうか?

 

塩麹のレシピでも紹介した寺田本家さんの玄米麹の「かむたち」は、無農薬米を原料に天然の麹菌で作られています。塩麹だけでなく甘酒にもつかえます。(秋から春までの季節限定になります)

 

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